メジャー流打撃 ヒジの使い方

  先日、プロ野球関係者からメジャー流のヒジの使い方についての質問を受けました。その理由は某プロ野球チームが、打撃練習時に前になる腕(右打者なら左腕)のヒジが開かないようにゴムで押さえて練習しているのを参考にたくさんの少年野球チームがその練習を取り入れているという話を聞きました。その練習の目的は両脇を閉めることで体と連動させるということだと思います。確かにその考えは一理あると思います。しかし、前のヒジがスイング中に閉まってしまうと必然的に手首が返ってしまうことで、後ろのヒジが体から離れてしまい下半身と連動できなってしまうので、その理論は矛盾していることになります。
  
 上のスナップ写真はメジャーリーグ歴代最多本塁打記録を持つバリーボンズ選手のオールスター戦で行われたホームランダービーのインパクトの瞬間の写真です。右のヒジを開けたままの状態でボールを捉えているのがこの写真からでも分かります。そして左のヒジはヘソ付近に付いています。これがコネクション<連動>となります。バリーボンズのお父さんのボビー・ボンズも有名なメジャーリーガーでした。そのボンズ氏とレジースミスは親戚関係にあり、「何か息子のバリーに良い打撃のドリルがあったら教えて欲しい」というリクエストに「右手でボールをキャッチするドリルが良い」と答えました。正面からトスされたボールを右手でキャッチするのです。それがこの写真にある前の腕の形となります。
 この動作ができることで左ヒジがヘソ付近に付くことで下半身の力を使った打撃ができるようになるのです。

 上の映像はキューバの主砲グルエル選手の本塁打映像を紹介します。この映像はWBCでのパナマの投手から打ったツーシームです。ヒジを曲げて体の前をグリップが交差するように打つことで強い壁を維持しながら打つと同時にバットの芯であるスイートスポットを長く露出させながら打っているのが分かります。また、手首を返さずに打っているので内角の厳しいボールもフェアーゾーンに入れることができます。

 ロサンゼルス・エンジェルスの主砲アブレイユ選手の打席に入る前の練習スイングです。何を意識してスイングしているかが打席前の練習スイングで分かると思います。