先日、テレビでタレントの亀梨くんが出演する日本テレビのゴーイングスポーツ&ニュースという番組のホームランを打つにはという企画を観ました。各チームのホームランバッターの指導のもとで一生懸命に取り組む姿勢に感動しました。しかし、本塁打が出る可能性は正直なところ感じることはできませんでした。しかし、6月までに本塁を打つとテレビで断言したのを見て、何か力になれればと思いレジースミス流のアドバイスを送ろうと思いました。
アメリカのレジースミスベースボール本社はハリウッド映画の野球に関するコーディネーターも行っています。CGを使わずにいかにリアリティーを出すかという傾向が強くなっているためです。その中で映画61というベーブ・ルースの本塁打記録を塗り替えるロジャー・マリスの苦悩を描いた作品があります。ロジャー・マリスと並ぶヤンキースのスター選手のミッキー・マントル役に大抜擢されたトーマス・ジーンは役が決定してから発覚したことがありました。それは何と野球経験が全くないという事実でした。オーディション時に嘘を付いたのですが、そのまま続行ということになりました。
しかし、スミスとのレッスンで3週間後には何と95メートル以上の本塁打を両打席から打ちました。マントルがスイッチヒッターだったためです。まさにミラクルとしか言いようがありませんが、ある程度の基本ができるようになれば野球経験がない選手でもフリー打撃で飛距離を伸ばすのは可能だということを証明してしました。
それでは下記に亀梨くんの課題をメジャーリーガーのプホールス選手と比較して簡単に解説します。
まず、大きく違うところは下半身の使い方です。上半身の打撃指導を各チームのスラッガーから受けて次第に技術向上をしていますが、打撃におけるパワーの源は下半身ですので、その使い方が亀梨くんの大きなポイントになります。
①軸足回転・・・スウェーとは腰が前に流れてしまい体の軸が崩れる動作を言います。このスウェーをするのが原因でグリップが体から離れる傾向が強くなるためにボールに当たる時には力の抜けたところで当たってしまうためにボールに飛距離が出ません。また、軸足の回転が止まると同時にグリップもそこで止まってしまうために、手首を返して打つようになるのでそこで力が抜けてしまう傾向があります。修正方法としては前足のかかと地面に付いた瞬間に軸足を回すことでこの動きがなくなります。亀梨君の場合は軸足を回さずに後ろの右ひざを内側に折れるためにこれがスウェーの動きになります。
②テコの作用・・・軸足が地面から離れると同時に下半身の抵抗力が失われます。この動きはre-centerというもので、重心が前に大きく重心移動することでその中心を戻すために生まれる人間の自然な動作です。足を大きく上に上げるのは良いのですが体の中心軸がブレない意識が必要です。また、両方の内転筋を寄せ過ぎるためにかなりの力が失われています。日本の野球界では内転筋を寄せるのが主流な考えですが、内転筋の筋肉は殿部の筋肉や大腿四頭筋と比べると比較にならない位に弱い筋肉なので、内転筋を寄せ過ぎる動作をすることで大きな筋肉が使えない状態になっています。
③ロック&リリース・・・スイング後に低くなることで下半身の抵抗力を強くする動作です。また、そのことで体の回転域をさらに多くすることでボールを運ぶ動作ができるようになります。ボールを飛ばすにはこの運ぶ動作が必須になります。
レジースミスとミッキー・マントル役のトーマス・ジーンとのレッスンの映像です。3週間後には本物のミッキー・マントルに限りなく似ています。簡単にこの映像の会話を訳します。
スミス:「どのくらいの野球経験があるのか?」
ジーン:「俺には何も悪い癖はない!」
レジー:「まさか。」
ジーン:「ところでレジーどうやってボールを握るんだい?」
亀梨くんにも取り入れて貰いたいのは角材の上でのスイング練習です。いかにバランスを保って最後まで下半身の力を使って最後までスイングができるかが大きなポイントです。
考え方はシンプルです。大きな筋肉グループを使って打つのと小さい筋肉グループを使って打つのでがどちらがボールに力を伝えることができるかということです。
それでは司会の上田さんよりも早くホームランを打ってくれることを心から祈っております。