メジャーで学んだ究極の打撃 (GET SPORTS 城島 健司選手)

 それではここで今年の初めに放送された城島選手の語ったメジャーで学んだ究極の打撃をご紹介致します。城島選手自の考え方の進化も見える非常に興味深い映像ですので是非、参考にして下さい。

 私自身も2000年のダイエーホークス(現ソフトバンク)で1軍の通訳者として従事していた時に当時シーズン途中でミルウォーキー・ブリューワーズから移籍してきたブライアン・バンクスという選手が当時の王監督の一本足打法とダウンスイングに取り組み私も一生懸命に通訳したのを覚えています。しかし残念ながらシーズン途中ということもあり、その技術を習得にするには至らずシーズン途中で退団したことを覚えています。

 城島選手が話したこの映像の中にもあるように「監督、そんな風にダウンスイングで指導したら普通の人だったら鵜呑みにして本当にバットを振り下ろすだけになっちゃいますよ!」と話していたことを私も近くで聞いていた一人です。恐らく当時の王監督にそこまで本音をぶつけられたのは城島選手くらいしか後にも先にもいないと思います。王監督もそこで怒ることなく「そんな奴もチームに一人くらいいても良いだろう。でも、たくさんいたらそれは困るけどな(笑)」と、話していたことを今でも鮮明に覚えています。

 私が城島選手を尊敬するところは今までの先入観に捉われずに常に進化を遂げる姿です。もし、常に人間がオープンマインドに物事を吸収する姿勢があれば常に人は進化するのではないかと思います。非常にデリケートな部分なのでちょっと詳しく説明させて頂きます。投手のレベルが変われば打者のレベルも変わらなければ通用し難くなるということなのだと思います。スミスが良く話していたことは「投手が打者にどうやったら打てるようになるかを教えてくれる」と話していました。例えば昔の投手があまり多投しなかったツーシーム系のボールを打者の手元で曲がるためにあまり前で捉え過ぎるとほとんどが芯を外して凡打になりやすくなります。また、投手の球速も上がり155km以上が先発投手では平均となると今までの技術では芯に当たっても押し負けるようになるなど打者にとっては大変な時代になっているのが現状だからだと思います。
 

 城島選手がメジャーで進化したところを下記に簡単にまとめます。
①後ろを大きく前を小さく。
②ダウンスイングではなく投手のボールの軌道に合わせて地面と比較するとアッパースイング。
③体からバットが離れないようにスイングをする。

 以上のようにほとんどが日本の従来の野球理論の逆になっていることに気付く方もいると思います。本年の城島選手の阪神タイガースでの大活躍を見ても分かるようにメジャーリーグで学んだ打撃理論や守備理論が日本に浸透する日はそう遠くないと確信した番組でした。