前回のニュースでSFジャイアンツのジト投手のトレーニング風景を紹介しました。そのジト投手の最大の武器は落差の大きなカーブです。特に2000年初期のオークランド・アスレチックス時代が最も落差のある大きく鋭く縦に落ちるカーブを投げていました。
現在、西武ライオンズの岸投手が投げるカーブが今のプロ野球界では最も落差が大きく垂直に落ちるために打者が最も打ちにくいカーブとされています。
しかし、プロ野球界でも実際に岸投手と同じレベルでカーブを投げる投手は非常に少ないのが現状です。昔の野球界には岸投手のような俗にドロップカーブといった垂直に大きく曲がるカーブは決して珍しくなく主流でした。ではなぜ最近の野球界にこのようなボールを投げられる投手が減ったのかという原因の一つに、少年野球のルールに変化球禁止のリーグが多くなったことがあげられます。しかし、正しい投げ方ができれば肘や肩を故障をすることはほとんどないと私は思います。ジト投手の正面からの映像を観ると手首を捻らずに手首を固定してボールを手の中から抜いていることが分かります。特にジト投手の特徴は左手の甲を捕手方向に向けて腕を鋭く振り切るために垂直に鋭く変化していることが分かります。
元読売ジャイアンツの桑田真澄氏も「カーブの習得が最も難しい」とコメントをしているように、手首を固定して手の中からボールを抜くという感覚はゴールデンエイジと言われる小学生の時代から習得しないと本当の大きく縦に鋭く落ちるカーブを習得するのは難しいのではないかと思います。
怪我をせずに正しい変化球を投げる技術を是非、皆さんに学んで欲しいと思います。