テニス界で大活躍をしている錦織選手の幼少時についてのテニス関係者のコメントに最も他の選手と比較して優れていたのは適応能力だと話していました。この適応能力とは自分の体を自分が思うように動かす力でコーディネーション能力とも言われています。技術向上のスピードの早い選手や各レベルでチームに求められる自分の役割に順応できることも含まれます。
下記映像の加賀見奎輔くん現在小学6年生、某強豪のリトルリーグに所属し投打で大活躍をしています。その加賀見くんの小学3年生からの3年8ヶ月のプロセスを映像で紹介します。
特に小学3年生の5月時の初めてのレッスンと比較すると小学4年生の2月時では大きな変化が表れています。そして、小学4年生時に身に付けた基本がベースとなり、小学生6年生で確実に身に付き、洗練された無駄のないメカニズムとなり、制球力と球威の両方を兼ね備えたフォームを身に付けています。さらにそのフォームには肩や肘に負担が掛かる要素はありません。
レッスン開始からの5ヵ月間は大きく腕を振ることができず、肘が下がりボールを押しているのが分かります。しかし、翌年2月には大きくそして高く腕を振ることができるようになりました。また、グラブ側の腕で体の回転を止めずに振り切ることでダイナミックに上体を倒せるようになりました。そして、それから約2年後には非常に良いバランスを維持しながら力強いフィニッシュで投球をすることができるようになりました。
加賀見くんの3年間の課程に非常に高い適応能力を感じます。
この適応能力に含まれることの中には努力を継続できる力やアドバイスされたことを理解し、それに向けて素直に取り組めるかどうかなどのメンタル面も含まれています。スミスがロサンゼルス・ドジャースでマイナーリーグを指導していた時、初年度のルーキーに「来年誰か一人が入団するということは、その分だけ誰かがここを出て行かなければいけない。もし、来年もここでプレーをしたいなら今の自分に求められていることができるように努力しなさい。」と話したと言っていました。
どうか適応能力の重要さを理解してこれから選手の皆さんに頑張って欲しいと思います。